期間従業員と派遣労働者との相違点!どこが違うの?違い
簡単に言ってしまえば、誰と誰が契約しているのかという点である。つまり契約当事者は誰なのか?
ということである。
期間従業員の雇用主はその企業の代表権を持つ取締役である。雇用主は労働基準監督署に届け出を出している。ということで、期間工は雇用している企業と直接雇用契約を交わしていることになる。期間工の給料は契約先の企業から賃金規程に則って賃金として支払われることになる。
一方、派遣の場合は派遣元企業と契約を交わし、派遣元企業から賃金ではなく報酬として受け取ることになる。派遣元企業は派遣先企業との間で契約をする形態である。ここで留意することは派遣元企業は自社収益を確保するため、俗に言うピンハネをしてそのピンハネの額を控除した上で派遣社員に報酬として支払うことになるのが通常である。
実際の例として時給1,100円がピンハネ(マージン)を差し引いて850円という額で派遣社員に支払われるというケースがある。期間工であれば、ピンハネ等はなくダイレクトに賃金として支払われるため、派遣と比較して多い金額で受け取ることになる。さらに雇用企業によっては期間が終えた段階で期間満了金という名目でボーナスを出すところもあり、期間工にとっては嬉しい。派遣であれば、派遣元には期間満了金に関する情報は一切派遣社員には知らせることはないのが通常である。
法律的には期間工の場合は労働法における「雇用」という扱いになり、派遣の場合は「請負」という扱いで民法の範疇になる。つまり、期間工を期間途中に契約解除する場合は労働法に抵触するため、期間工は社会保障によって一定条件下で保護される。派遣の場合は契約如何によるところに影響を受け、社会保障は皆無である。
製造業の現場である工場等で働く人は大きく2つに分類される。
1)その企業が直接雇用する期間を限定した期間従業員(期間工)
2)人材を派遣する会社との派遣契約を締結している派遣労働者
2つに分類される。期間従業員は雇用企業と直接、労働に関する契約を交わしている常用雇用の正社員と同一の取り扱いがなされる。唯一の違いは、期間従業員は雇用企業が定めた期間に限定されていることである。期間が限定されているにも関わらず、その企業と直接、労働契約を交わしている。一方、派遣社員は人材派遣会社と派遣契約を交わしている。この違いをきちんと理解しておく必要がある。この労働契約の違いが雇用責任の違いに繋がっていく。
つまり、期間従業員の雇用に対する責任はあくまでその企業にあるのに対して、派遣社員は自分自身が人材派遣会社に派遣という形態で雇用されているという相違がある。具体的には、例えば、契約期間の途中にもかかわらず、労働者が解雇された場合のことを見てみる。期間従業員は雇用企業に対して何らかの申し入れを行うことができるのに対し、派遣社員の場合は自分を派遣締結している人材派遣会社に交渉する他に方法はない。その企業は派遣社員を解雇する事態が発生したとしても、「派遣社員との雇用関係は一切ない。」とその企業は突っぱね話し合いには応じない。
1985年に制定された労働派遣法では、派遣会社から専門職26業種に限定して他社への派遣を認めていたが、2004年に労働派遣法を改正・施工されたのが自動車等の製造企業への派遣が解禁されたことである。このことから企業は比較的にダイナミックに必要に応じて労働者を集めることができるようになり、この労働派遣法によるシステムが急速に拡大した現象を招いたのである。
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